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【健康事典】 《第06章ー腎臓》身体の超高機能フィルター!

第06章では腎臓について見ていきます。


腎臓は腰の少し上の背中側に左右1つずつある、空豆の形をした臓器です。大きさは直径約10cm、幅約5cm、厚さは約3cm。


全身の血液が流れ込む腎臓では、身体に必要なものと不要な物を分ける、まさに「フィルター」の役割を担っています。1日に腎臓に流れ込む総血液量は約1000~1500Lにもなります。


そして、不要なものは「尿」となって身体の外へ排泄されます。


今回は、そんな腎臓の構造と仕組みについて分かりやすく解説します。

構造


腎臓は1つ当たり約100万個の「ネフロン」という組織が集まって出来ています。


さらに、「ネフロン」は、「糸球体」「ボーマン嚢」「尿細管」という組織で構成されています。

糸球体

細い血管が球状になったもの。糸球体への入り口の血管は「輸入細動脈」、出口の血管は「輸出細動脈」と呼ばれています。

「ボーマン嚢」

糸球体を包み込んでいる袋状の組織。糸球体から水分を濾しとる部分で、尿細管の起始部(始まりの部分)を構成している。

「尿細管」

ボーマン嚢から続く管で、各ネフロンの尿細管が集まって「集合管」となり、膀胱へ続いています。


では、これらの組織が一体どのようにしてフィルター機能を果たしているのでしょうか?その役割について見ていきましょう。

腎臓の役割


腎臓の役割を単刀直入にいうと「尿を作ること」です。
尿は2段階の「フィルター」を通して作られています。

第一フィルター 「ろ過装置」糸球体とボーマン嚢

腎臓に流れ込んだ血液はまず、「糸球体」へ送られます。糸球体には、多数のとても小さい穴があり、血液中の水分はここから漏れだして尿細管へ流れていきます(この時の水分を「原尿」と言います)。
原尿の量は1日に100~150Lにもなります。


しかし、赤血球や白血球などの血球成分や、アルブミンなどのタンパク質は通ることが出来ないため、血液中から漏れ出すことはありません。


糸球体を包み込んでいるボーマン嚢には圧力がかかっており、血液中から水分を搾り取る ような働きがあります。

第二フィルター 尿細管での「再吸収」

尿細管は糸球体側から、「近位尿細管」「ヘンレ係蹄(ヘンレループ)」「遠位尿細管」に分かれており、各々の場所で異なる役割を担っています。

近位尿細管

近位尿細管では、主に糖分、アミノ酸、重炭酸イオン*1が再吸収されます。

また、薬を服用した場合にも一部ここから再吸収される事があります。

ヘンレ係蹄(ヘンレループ)


馬の蹄(ひづめ)のような形をしている事からこの名前がついています。
ここでは主に、身体に必要なミネラル(ナトリウム、カリウム、塩素イオン)が再吸収されます。

遠位尿細管


ネフロンの最終部分に当たる遠位尿細管では、主に水分が再吸収されます。また、ヘンレ係蹄で吸収しきれなかったミネラルも再吸収されます。

最終的には


必要な物質が再吸収された後、残りは尿として排泄されます。その量は1日に約1.5L。つまり、原尿の99%は再吸収されていることになります。

まとめ


さて、ここまで腎臓で尿が作られる過程を解説しました。身体の老廃物は便へ75%、尿へ20%、汗へ2%、爪と毛髪へ各1%が排出されると言われています。こうしてみると、腎臓が身体にとってどれ程大切で重要な働きをしているかが分かります。


次章では「脳と自律神経」について解説します。
今回まで解説してきた臓器の働きを支配しているのは脳と自律神経です。

臓器の働きだけでなく、それを支配する脳や自律神経についても知りたい!という方はぜひ次章も読んでみて下さいね!


次章はコチラ↓
vegi.hatenablog.com

*1:重炭酸イオン :電解質の一つで、血液が酸性に偏らないよう保つ働きがあるアルカリ性の物質。

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