第04章の後半では、大腸と、腸内細菌について解説します。
食べ物が最後に通る身体の部位、大腸。そして、小腸を含め腸の働きや免疫機能にとても重要な役割を担っている腸内細菌について見ていきましょう!
【構造】タダの管じゃない!大腸の構造
大腸は小腸に近いほうから、盲腸(虫垂)、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸で構成されています。
【機能】大腸の機能
小腸で必要な栄養素を吸収されたあと、残りは便となって排泄されます。
その便を形成しているのが大腸です。
腸の内容物は小腸を出てすぐはまだ液状ですが、結腸で水分と小腸で吸収し切れなかった栄養素などが吸収され、徐々に固形物になっていきます。
そして、形成された便は直腸で一時的に溜められます。直腸がいっぱいになれば、便意が表れ排泄したくなります。
【概要】人間と運命共同体!腸内細菌とは?
ヒトの腸内には約1000種、100兆個もの細菌が棲んでいます。重さにすると約1~1.5kgになります。
彼らはその種類ごとに塊となって腸壁にびっしりと張りついています。その様子がまるで畑に並んで咲いている花のように見えることから、
「腸内フローラ(腸内細菌叢)」
と呼ばれています。
また、腸内細菌はその働きにより3種類に分別されています。
種類 | 働き | 割合 |
善玉菌 | 糖分や食物繊維を発酵させる。 消化吸収を助けたり、免疫の維持に関わる。また、悪玉菌の増殖を抑え、食中毒など感染予防に働く。 |
2割 |
悪玉菌 | 脂質やたんぱく質を分解する。 食べ物を腐敗させて有毒な物質をつくる。増えすぎると健康に害を及ぼすことがある。 |
1割 |
日和見菌 | 善玉菌でも悪玉菌でもない菌。数の優勢な方と同じ働きをする性質がある。 | 7割 |
私たちの腸では常に善玉菌と悪玉菌の縄張り争いが行われており、そのバランスは善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7で保たれています。
何らかの原因でこのバランスが崩れ悪玉菌が優勢になってしまうと、日和見菌も悪玉菌と同じ働きをしてしまい、健康の悪化につながります。
日ごろからバランスの良い食事と適度な運動を心掛け、このバランスを維持することが大切ですね。
ただ、一般に悪いイメージのある悪玉菌ですが、脂質やたんぱく質の消化にもかかわっているため、無くてはならない存在でもあるのです。
【役割】必須!腸内細菌の役割
腸内細菌は食べ物の消化以外にも、私たちの身体に無くてはならない役割をしてくれています。
腸管免疫のサポート
腸内細菌には各々に縄張り争いをしながら一定の数を保っています。
そのため、外から別の細菌が入ってきても、すぐに駆逐されてしまい、その細菌が腸内で定着することはまずありません。
これが外から入ってくる細菌の感染を防ぐ役目も果たしているのです。
また、
脳への情報伝達に影響している
腸にはたくさんの神経細胞が存在し、脳との間で様々な情報のやり取りが行われており、互いに密接に影響を及ぼしあっている事が分かっています。
例えば、
・「空腹」を感じるのは、お腹が空くと腸からホルモンが分泌され、脳に信号が伝わるから。
・過度のストレスを感じるとホルモン分泌や腸内フローラが乱れ、お腹の調子を崩す事がある。
このような関係は「腸脳相関」と呼ばれています。
そして、腸内細菌も腸脳相関に大きな影響を与えていると考えられています。
腸から分泌されるホルモンの一つに「セロトニン」があります。セロトニンにはストレスやうつ症状を軽減する効果があります。
腸内細菌は、セロトニンを分泌する細胞(腸クロム親和性細胞)を刺激することが分かってきています。
この事から、腸内フローラのバランスを保つ事が、精神状態を良好に保つことに繋がっていると考えられているのです。
さらに、最近の研究で、糖尿病や脂質異常、脂肪肝との関連も知られています。
私たちは、精神面だけでなく、あらゆる面で腸内細菌の影響を受けているのです。
健康的な生活を送る上で腸内フローラのバランスを崩さないように意識する事が必要不可欠なのです。
腸内細菌と糖尿病及び脂肪肝の関係については、以下のコラムでも取り上げておりますので、ぜひコチラも参考にしてください。
Coming soon
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前半では、小腸について分かりやすく解説しています。
腸についてもっと知りたい方はコチラから↓
vegi.hatenablog.com