第03章では、食べ物が最初に通る場所、食道と胃について見ていきます。
前半では食道の構造、働きについて見ていきます!
【構造】単なる管ではない!
食道の壁の構造
食道の壁は「扁平上皮」という、とても平たい細胞が何層にも重なって出来ています。
「重層扁平上皮」と言い、摩擦や圧力など物理的な刺激に強いという特徴があります。
その外側に、平滑筋の層があります。内側には輪っか状の「輪状筋」、外側には上下に走る「縦走筋」があります。
さらに、食道の入口には「上部食道括約筋」、出口には「下部食道括約筋」があります。
これらの組織が食べ物を胃へ送るのにとても重要な役割を担っています。
3つの狭窄部
食道には狭くなっている部分が3ヶ所あります。
①食道起始部・・・上部食道括約筋があり普段は閉鎖していますが、食べ物が入ってくると弛緩します。
②気道分岐部・・・大動脈弓と気管支が交差する部分で、食道が押される事により(圧排)、狭くなっています。
③横隔膜貫通部・・・横隔膜(食道裂孔)を貫いている部分。
この部分は通り道が狭い分、食べ物が通る時に刺激を受けやすく、
食道がんが発生しやすい部分となっています。
【働き】食べ物を胃へと送る仕組みとは?
食道には食べ物を胃へ送るための機構が備わっています。
食べ物が食道に入ると、上部食道括約筋が弛緩します。
するとそれに反応し、すぐ下に繋がっている平滑筋が収縮します。
すると、またすぐ下に繋がっている平滑筋が・・と言うように、
上から下へ、平滑筋が順々に収縮します。
そしてこれを何回も繰り返します。
この一連の働きは「蠕動運動」と呼ばれています。
この働きにより食べ物は胃へと送られていきます。
食道の最下部、胃の入り口には下部食道括約筋(LES)
があり、これが弛緩する事で胃に食べ物が入ります。